フランス人が東京で考えた。-働き方・休み方-

フランス語会話学校エコールサンパのスタッフがライフスタイル、日本での生活を通して考えたことを、サンパに(sympa: 好意的に)本音で語ります。

大学時代をどう過ごす?

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私の学歴はちょっとユニークです。複数の大学に通い、かなり長い学生生活を送りました。フランスではほとんどの大学が国立で、授業料はタダ同然です。ですが大学に進学する時点で、将来やりたいことが見えている学生はそれほど多くありません。私もそのタイプでした。高校で会計学経営学の成績が良かったので、家から一番近い大学で、そのコースを選択しました。

 

しかし専門分野を絞って勉強をするということは、他の道を断つということでもあります。自分が将来進みたい道にはどんな知識や技術が必要か、じっくり見極めることが大切です。この観点からすれば、私の最初の大学選びは失敗だったと言っていいでしょう。

 

本当に好きなことを見つけたのは、この選択の後でした。日本と日本文化、それに中学時代から関心があった教育。これらをかけ合わせ、日本で教師になろうと決めました。ボルドーモンテーニュ大学は日本語教育で定評があります。オプションとしてFLE(外国人にフランス語を教える資格)を取るコースもあります。日本の大学と交換留学提携もしています。大学を変えたのはごく自然なことでした。

 

この大学で学士号を取得したのち、新潟の大学に留学するチャンスに恵まれました。日本の大学でいいなと思った点は、アラカルト方式で授業が選べるところです。興味のある内容を学べるので、向学心を維持できます。一方フランスの大学では、オプション科目はほんの少しで、ほとんど皆同じ授業に出席します。全く関心のなかった科目から発見が得られる、という利点もありますが。

 

日本の大学のサークル活動にも興味がありました。サークルは学生にとって第二の家族ともいえる存在。学生だけで団体を運営するという、そのしくみにも驚きました。一般的に留学生がサークル活動に加わるのは難しいと言われていましたが、外国人留学生仲間のおかげで、私はわりと簡単にできました。ちょうど授業で「総踊り」(よさこいみたいなものです)を知り、その印象が強く残っていた頃でした。留学生活2年目の総踊りサークルでの活動は、短い間でしたがとてもいい経験になりました。

 

フランスの学生は日本と違って、基本的に学業に専念します。ディプロムの取得前から就職活動を始めるケースもほとんどありません。就職に有利な活動や、資格取得に時間とエネルギーを注ぐこともありません。仕事探しは皆それぞれ、自分のペースで行います。フランスの大学でも数年前から就職サポートの授業が始まり、履歴書の書き方や志望動機、面接の対策などが学べるようですが、まだそれほど効果のある内容になっているとも思えません。私の場合はそれよりも、master professionelと呼ばれるコースの授業に専念しました。学位を取るには3~6ヶ月の企業研修が必須です。大学で学んだ理論を、実際に企業で活かして学びを得られる課程です。この研修が就職の足がかりになる場合もあります。

 

大学生活は合計11年に及びました。最初の大学に4年(学士+修士1年目)、次の大学に5年(学士+修士)、留学生活が2年。しかしこれはフランスでは決して珍しいことではありません。同級生の中にも私のような人はいます。同じ学年でも学生間の年齢差はかなりあります。

 

大学時代に教養を身につけたいという方には、交換留学制度を利用して海外で学ぶことをお勧めします。この経験から得られるものは大きいです。語学の習得はもちろんですが、それ以上に滞在する国の文化を、身をもって体験しながら学べます。他の国の留学生との出会いからも、様々な国の文化が学べます。そのおかげで、自分の国を客観的に見つめなおすこともできます。私はフランスを出て初めて自分の国のことが一番よく分かると思ったくらいです!

 

外国に行けないなら外国語教室という手もあります。様々なテーマについてディスカッションする機会もありますし、自分にない視点を知る機会にもなります。これが豊かな教養の元になります。

あるいはインターネットで世界中の様々なコンテンツにアクセスすることだってできます。様々な動画が溢れていますが、なかにはとても良い番組もあります。テレビほどステレオタイプでないものもあります。字幕の助けも借りられます。ちなみにYoutubeのフランスの番組では、以下の4つがおすすめです。

・Axolot (変わったもの、ちょっと奇抜なテーマ)
・Nota Bene (歴史)
・DirtyBiology (生物学その他のテーマ)
・E-penser (科学)

 

何よりも一番大切なのは、好奇心を忘れないこと。これが豊かな教養のもとだと思います!


(Patrick G)